導入企業レリーズプラットフォーム管理ロイド

活用事例 | 東京建物株式会社

企業名 東京建物株式会社
主なエリア 首都圏中心、特に東京・八重洲・日本橋周辺、および主要地方都市

事例サマリー

日本最古の総合デベロッパー。マンション売買電子契約『レリーズ』やビル管理アプリ『管理ロイド』の導入により、複雑な契約・点検手続きのペーパーレス化と、各アセットにおけるデータ連携を推進しています。

企業概要

事業概要

明治29年(1896年)創立の日本最古の総合デベロッパー。オフィスビル開発・賃貸(「八重洲一丁目東地区」などの大規模再開発)、分譲マンション「Brillia(ブリリア)」の展開、商業施設・物流施設の開発、不動産ソリューションなど多角的な不動産事業を展開しています。

アセット規模・種類

売上高は年間約3,500億〜4,000億円規模。首都圏の主要オフィスビルや分譲・賃貸マンションなど多様な不動産アセットを開発・保有しています。

経営課題とDX方針

経営・業務の課題

大規模再開発や物件供給の増加に伴う、不動産契約関連事務のペーパーレス化と建物管理・ファンド管理の品質向上・高速化。

目指す目標

分譲マンション販売における非対面電子契約の確立、および建物点検等の現場業務の完全モバイル化・データ連携。

DX方針・取り組み

総合デベロッパーとして、物件開発・ビル管理・マンション販売等の全領域でDXを推進。電子契約(レリーズ)や建物管理アプリ(管理ロイド)等の導入を積極的に進める。

直近5年の財務情報

財務状況(売上高と営業利益率の推移) 売上高 営業利益率

3,224億円 3,405億円 3,499億円 3,820億円 4,189億円 15.4% 2020年12月期 17.3% 2021年12月期 18.7% 2022年12月期 19.2% 2023年12月期 18.3% 2024年12月期

ツールの導入と財務状況の関連

2020年12月期から2024年12月期にかけて売上高は3,200億円規模から4,100億円超へと右肩上がりで成長し、営業利益も500億円規模から760億円超に増加しています。特に分譲マンション「Brillia」事業やビル事業の好調が寄与しています。プロップテック導入との関連では、2021年に不動産売買契約の電子化ツール「レリーズプラットフォーム」を導入し、年間約3,000件の契約・覚書の電子化による印紙代・事務コストの削減と契約期間短縮に成功。また、建物管理品質の向上・点検効率化のために「管理ロイド」を導入し、紙ベースの巡回報告をデータ化することで現場管理の無駄を徹底的に排除しました。これらの業務効率化が、事業規模拡大下での販管費の抑制と利益率の向上(営業利益率15%以上の維持)を後押ししています。

導入ツールと活用事例

レリーズプラットフォーム

導入時期: 2021年11月
現場の定着しやすさ

既存の社内承認プロセスやJV企業との連携調整が必要だったが、使いやすいUIとベンダーの手厚いサポートにより、混乱なく運用が定着した。

コストパフォーマンス

年間約3,000件もの契約書類における印紙税・郵送費の直接的削減効果が非常に大きく、短期間で高いROIを達成している。

業務効率化の幅

単なる電子署名だけでなく、JV(共同事業)に対応した承認ワークフロー、顧客への書類事前送付、その後の履歴管理まで売買実務全体をカバーしている。

導入前の課題

年間約3,000本にのぼる不動産売買契約書や覚書を紙で締結・保管しており、製本や郵送、対面での捺印手続きに多大な事務負担と配送コスト、さらに多額の印紙税が発生していた。また、契約の進捗状況がブラックボックス化しやすく、営業担当者や法務部門による確認に時間がかかっていた。

選定理由

不動産売買に特化した仕様であり、複雑な共同売主(JV)や代理契約のワークフローに対応していた点。また、他の電子契約ツールと比較して不動産の契約実務(重要事項説明の配布や付随書類の管理)への適合度が高く、担当者や顧客への分かりやすさが優れていた点。

実施内容・プロセス

Brilliaシリーズの分譲マンション契約手続きで電子契約を段階的にスタート。顧客や共同事業者への説明体制を整え、書類の準備から承認、電子署名にいたる全プロセスをクラウド上に統合した。

得られた効果

契約書の製本・郵送や顧客の来場手配などの事務工数が激減。印紙税の節約による直接的なコスト削減を達成。また、契約締結までのリードタイムが大幅に短縮され、顧客の契約手続きにおける負担(持ち帰りや郵送の往復)も解消された。

当サイトの独自考察とまとめ (レリーズプラットフォーム)

東京建物におけるレリーズプラットフォームの導入は、分譲マンション販売におけるJV(共同企業体)契約という、不動産業界で最も複雑な契約スキームの電子化を成し遂げた先駆的モデルです。共同事業者が複数絡む場合、各社の承認プロセスや印影の確認、印紙の按分などアナログな調整が多発しますが、本ツールはこれらをシステム内で完結させる工夫が施されており、実務に適合した選択と言えます。結果として、顧客の契約来場回数の削減や物理書類の撤廃など、カスタマーエクスペリエンス(CX)の向上とコスト構造改革を両立しています。

管理ロイド

導入時期: 2022年頃
現場の定着しやすさ

現場の高齢な技術者へのスマホ端末の使い方指導などの研修期間を要したが、シンプルなUI設計と実務フローへの適応によって短期間で現場運用に定着した。

コストパフォーマンス

毎日の巡回・報告書作成にかかる人的な事務工数が大幅に削減されたことで、外注費や管理業務の人件費効率が改善された。

業務効率化の幅

現場点検、検針、写真撮影から、不具合管理、管理組合やPMへの報告書自動出力まで、BM(ビルマネジメント)業務の核となるプロセスを広くカバーしている。

導入前の課題

建物管理・設備点検業務において、紙のチェックシートを用いた巡回報告や手動でのデータ転記作業が中心であり、現場の検針値や不具合情報の共有にタイムラグが生じていた。また、点検結果の二重入力や報告書作成の手間により、PM(プロパティマネージャー)やBM(ビルマネージャー)の事務負担が重く、管理品質の標準化も課題であった。

選定理由

スマホアプリを用いた直感的な操作で、現場にいながらメーター検針値の入力や不具合写真の撮影・報告書作成がその場で完結する点。また、AIによるメーター読み取りや過去データとの異常値チェックなど、現場の作業ミスやチェック漏れを防ぐ強力な機能を有している点。

実施内容・プロセス

管理対象のオフィスビルや分譲・賃貸マンションの現場点検・検針業務にスマホアプリ「管理ロイド」を導入。従来の紙の帳票をデジタル化し、点検と同時にデータがクラウドに即時反映される体制を整えた。

得られた効果

点検から報告書作成にいたる二重入力や手戻りがゼロになり、点検現場・管理オフィス双方の作業時間を劇的に削減。メーター検針時の入力ミスや確認漏れがリアルタイムで検知されるようになり、建物の管理・保守品質が標準化・向上した。

当サイトの独自考察とまとめ (管理ロイド)

東京建物が「管理ロイド」を導入した事例は、総合デベロッパーとして保有・管理する膨大なアセットの「管理品質の維持向上」と「現場の省人化」を両立したビル・施設マネジメントDX of 好例です。現場の巡回点検において、手書きのメモをオフィスに持ち帰ってPCで清書するような非効率を排除し、現地でスマホから直接アップロードして報告書を自動生成する仕組みは、現場労働力不足への決定的な解決策となっています。蓄積された設備点検データは将来的な予防保全や修繕計画の精度向上にも繋がるため、単なる事務削減を超えたアセットの価値向上に寄与する投資と言えます。