導入企業レリーズプラットフォーム

活用事例 | 穴吹興産株式会社

企業名 穴吹興産株式会社
主なエリア 中四国、九州、関西、東海など地方中核都市中心

事例サマリー

中四国エリア大手のあなぶき興産は、契約電子化ツール『レリーズ』を全物件へ順次導入。対面・紙ベースの手続きをデジタル化することで、印紙税や事務コストを削減しつつ、顧客が24時間手続きできるハイブリッド販売体制を確立しています。

企業概要

事業概要

香川県高松市に本社を置く不動産デベロッパー。分譲マンション「アルファスマート」「アルファステイツ」シリーズの企画・開発・販売を中核とし、戸建住宅、不動産仲介、ホテル、介護など多角的な事業を展開しています。

アセット規模・種類

分譲マンションの累計供給戸数は中四国エリアでトップクラス。年間数千戸規模の住宅供給体制を有しています。

経営課題とDX方針

経営・業務の課題

不動産業界特有の「対面・オフライン中心の業務プロセス」からの脱却、および顧客データの分断(サイロ化)や属人化の解消。

目指す目標

顧客の生涯価値を高めるための商品・サービスの付加価値向上と、業務効率化・生産性向上による筋肉質な経営体質の構築。

DX方針・取り組み

ビジネスDX、コーポレートDX、デジタルIT基盤の3本柱で推進。2023年9月に経済産業省の「DX認定事業者」に認定。

直近5年の財務情報

財務状況(売上高と営業利益率の推移) 売上高 営業利益率

1,048億円 1,113億円 1,138億円 1,345億円 1,310億円 5.3% 2021年6月期 6.3% 2022年6月期 5.7% 2023年6月期 5.3% 2024年6月期 4.3% 2025年6月期

ツールの導入と財務状況の関連

2024年6月期にかけて主力の分譲マンション事業が地方主要都市で絶好調となり、売上高は1,300億円台に急成長しました。2024年末に電子契約・書類管理プラットフォーム「レリーズ」を導入したことで、これまで年間数千本にのぼっていた売買契約や覚書の郵送・チェック業務がデジタル化。ペーパーレス化による印紙税・事務コストの削減が進み、近年の建築資材高騰の中でも高水準の利益率維持をバックオフィスから支えています。

当サイト未掲載の他ツール導入情報

  • INTEGRAL-CORE (CDPによる顧客データ統合)
  • P-Pointer File Security (個人情報セキュリティ)
  • スマートホーム「eLife」

導入ツールと活用事例

レリーズプラットフォーム

導入時期: 2024年12月
現場の定着しやすさ

従来の対面前提の販売フローからハイブリッド方式へ移行するため、オペレーションの再設計と営業担当者の操作習得が必要だが、共同開発された実務特化型のシステム設計によりスムーズに移行が進んでいる。

コストパフォーマンス

全物件への一斉導入と新機能の共同開発に伴う初期コストはあるものの、書類のペーパーレス化、郵送費・印紙代の削減、および事務工数の圧縮により中長期的な投資対効果は十分に高い。

業務効率化の幅

マンション売買の申込から契約締結までの全工程を完全オンライン化し、記入ミス防止や自動進捗管理を実現しており、販売プロセス全体の事務工数を抜本的に効率化した。

導入前の課題

顧客の住まい選びに対する効率的かつ柔軟な手続きへのニーズが高まる中、従来の対面主体の販売プロセスがボトルネックとなっていた。新築分譲マンションの購入申込や契約手続きには、大量の紙書類の受け渡しや郵送、複数回の対面面談、署名・押印作業が発生し、顧客と販売員の双方に大きな時間的・物理的負担がかかっていた。また、手書き・対面での手続きにおける記入漏れや押印ミスによる書類の再作成・再送付の手間、さらには重要書類の紛失リスク管理も課題であった。

選定理由

購入申込から売買契約、その後の手続きまでを一気通貫でオンライン化・一元管理できる不動産売買支援ハブとしての機能性の高さ。また、開発元であるGOGEN社との強力なパートナーシップ(2023年8月に業務提携締結)を通じて、分譲マンション販売の実務オペレーションに最適化した新機能を共同開発・改修できる柔軟な開発体制があること。そして、24時間365日いつでもどこからでも安心してアクセスできる高い顧客体験(UX)を実現している点を選定理由として挙げている。

実施内容・プロセス

同社が展開する分譲マンションブランド「アルファシリーズ」の全物件において、購入申込から契約手続きまでの全工程をオンラインで行える販売体制を順次導入した。従来のマンションギャラリーでの対面販売と、非対面のオンライン手続きを顧客のニーズに合わせて自在に組み合わせる「ハイブリッド販売方式」を採用。導入推進にあたっては、GOGENと穴吹興産の両社が緊密に連携し、実際のマンション販売の実務フローに即した各種機能のカスタマイズや新機能の共同開発を実施し、現場のオペレーションに組み込んだ。

得られた効果

顧客が24時間場所を選ばずスマートフォンやPCから手続きを行えるようになり、利便性(CX)が大幅に向上した。書類のやり取りや郵送、来店の回数が最小限に抑えられ、契約に関わる所要時間と物理的コストを削減。デジタル入力による記入漏れや押印ミスの自動検知によって、手戻り作業が完全に防止され、重要書類の紛失リスクもゼロになった。また、販売員の契約管理等の事務作業時間が削減され、顧客への提案や丁寧な顧客対応といった本質的な営業活動に注力できる環境が実現した。

当サイトの独自考察とまとめ (レリーズプラットフォーム)

本事例は、地方都市を中心に分譲マンション「アルファシリーズ」を展開する大手デベロッパーの穴吹興産が、不動産売買支援ハブ「レリーズプラットフォーム」を導入し、新築分譲マンション全物件でのオンライン販売・ハイブリッド販売を確立した先進的なDX事例である。最大の成功要因は、単なる既存パッケージの導入に留まらず、開発元のGOGEN社と業務提携を結んで分譲マンション販売の実務に特化した機能を共同開発した点にある。これにより、不動産取引において最も複雑な新築売買契約のフローをスムーズにデジタル化することに成功した。

顧客にとっては印紙代や移動の手間が削減されると同時に、24時間都合の良い時に手続きができるという多大なCX(顧客体験)向上をもたらしている。一方で、対面でのコミュニケーションを好む顧客層も存在する地方都市の特性を考慮し、「ハイブリッド販売方式」を採用している点も実用的で優れた戦略である。

本事例は、中長期的にお客様の利便性向上と販売員の生産性向上を両立させたい地方・広域デベロッパーにとって、今後の新築マンション販売の標準モデルとなるべき取り組みである。